いよいよ3月となり、桃の節句ひな祭の月となりました。
井伊谷宮では3月6日(日)に「おひなまつり」として、十二単の無料着付け拝観と流しひな神事を執り行います。
午前10時半から参集殿大会議室にて、ひな人形の女雛の衣装である十二単を実際に着つける様子をご覧いただきます。換気をして行う予定ですので、暖かい恰好でお出かけください。
十二単は平安時代に完成された装束ですが、現在の皇室の神事にも使われる生きた日本の伝統文化です。
多くの方に楽しんでいただければとの思いで行っておりますので、どなた様でもご自由にご覧いただけます。簡単な解説もありますので、どうぞお楽しみください。
続いて午前11時半から流しひな神事を行います。(11時20分に神社発で徒歩で川まで移動)
神社横の神宮寺川にてお祓いの後、自身の厄を移した流しひな絵馬を流すことで除災招福(じょさいしょうふく※災いを除いて福を招く)を願う神事です。
絵馬をお持ちの方はどなた様でもご参加いただけます。(初穂料500円)
また今年絵馬を受けられて流される方は、当日少しですが桃の花をお渡しする予定です。
桃はお祓いの力があるとされる植物ですので、ご自宅にどうぞお飾りください。
また境内にはひな人形、つるし雛、まゆ玉、つるしまゆ玉も飾っています。
手芸の品も飾っていますので、ひなまつりの雰囲気を楽しんでいただければと思います。
3月の御朱印は「ひなまつり」と「やよい」です。
「ひなまつり」は貝雛を中心に男雛と女雛を結ぶ紐と、桃の花を添えています。
貝雛の土台となっているはまぐり貝は、対となる貝殻としか組み合わせることができないので、桃の節句に食べると「良縁」を招くとされます。ひな祭というとはまぐりのお吸い物が有名ですね。
「やよい」の御朱印は「春の訪れ」を告げる様々な生き物を和の雰囲気であしらった、暖かさの兆しを感じる御朱印です。
全て井伊谷宮でも見る事ができ、これらを見ると毎年「春がきたな。」と感じることができます。
3月は二十四節気(にじゅうしせっき)で啓蟄(けいちつ)と言われ、芽吹きや成長の季節です。私たちも心なしか前向きな気持ちになれる気がしますね。
また先月までで季節の御朱印は春夏秋冬終わりましたので、3月からは御歌御朱印(おうたごしゅいん)をお出し致します。
一般的に歴代天皇や今上陛下の和歌を「御製(ぎょせい)」、皇后陛下の和歌を「御歌(みうた)」、その他の皇族の場合は「御歌(おうた)」と呼び分けます。
当宮御祭神宗良親王は後醍醐天皇の皇子であられました。そのような御祭神の詠まれた和歌をモチーフにしたのが「御歌御朱印(おうたごしゅいん)」です。
本年は当宮御鎮座150年であることにちなみ、親王様の御心情が特に強くあらわされているであろう御歌を選び、御朱印を通して紹介してまいります。
「君がため世のためなにかをしからむ すてて甲斐ある命なりせば」
「主上(天皇)のため正しい世のためならば何を惜しむことがあろうか。そのためにこそ甲斐のある命なのだから。」
南北朝に分かれて争った南北朝時代。正平元年(1352)いよいよ足利尊氏の軍勢と相まみえた際に詠まれたのがこの歌で、親王様の励ましに南朝方の兵は大いに奮い立たったと伝わります。
井伊谷宮には皇室の菊紋、御祭神が愛したスモモの紋、御祭神を当地でお支えし神社の創建にも尽力した井伊家の丸橘紋と井筒紋がございます。
一年を通して4種の紋が描かれ、3か月ごとに紋と御歌が変わります。
これから河津桜や寒緋桜、馬酔木、椿、ソメイヨシノ、大島桜、スモモ、枝垂れ桜などなどたくさんの植物が花開いてまいります。
お参りの際にはそうした春の伊吹も感じていただければ幸いです。